陶器の補修(呼継ぎ)2022-2

2022年12月19日

素焼きの欠けた部分が出来たので、
欠けた部分に合わせて一番ぴった
りくるものを採用します。
次に接着用の麦漆を作ります。漆粘
土みたいなものです。再生した部品、
欠けた部分両方に麦漆を多めに塗り
接着させます。このとき多めに漆をつ
け、部品全体を麦漆で覆います。
次に乾燥工程です。漆の乾燥には湿
度が必要で普通は室(ムロ)という箱
に湿ったティッシュ―を入れて一定の
湿度を保って25度前後の温度を保ち
ます。すると徐々に乾燥硬化していき
ます。小さな接着面でも一週間大きな
ものだと一か月かかることもあります。
また麦漆だけで部品を作り継いだ場
合も相当数日数がかかることが予想
されます。麦漆の乾燥を早めるため
にも今回は部品を作り呼継ぎにしま
した。今回は硬化時間を短縮するた
めに少し特殊なやり方をしました。
欠けた部分と部品を接着させて接着
面を濡らして絞ったティシューを接着
部分にのせてラップでくるんで薪ス
トーブの天板にのせて乾燥させます。
私の薪ストーブの天板は二重構造
になっていてストーブを最大火力
で燃やしても天板表面はMAXでも
7,80℃です、こうして一昼夜置い
て置くと漆の表面が乾燥してきます。
ただしこの段階では塗り込んだ漆の
内部はドロッとした状態です。この
ように漆を急速乾燥させると表面と
内部で乾燥具合が異なり表面も縮れ
たようになるので長い接着面を持つ
継ぎでは使えません。今回は内部が
ドロッとした状態でヘラで接着面を
なぞって形を整えます。次にラップ
は使わずにぬらして絞ったティッシ
ューを接着面に被せてさらに一昼
夜ストーブの天板で温めます。翌
日には手で触っても変形しないく
らいに均一に硬化します。室に入
れて自然乾燥させると10日くらい
かかるのでかなりの時間短縮が
出来ました。次は余分な漆をサン
ドペーパーで削り形を整え仕上げ
の金粉蒔きです。


陶器の補修(呼継ぎ)2022-2

欠けて作り直した部品を欠けた場所に合わせてみます。
一番しっくりくるものを採用します。


陶器の補修(呼継ぎ)2022-2

紙やすりで微妙な部分を削って修正します


陶器の補修(呼継ぎ)2022-2

欠けた部分を合わせました。次は麦漆で固めます。


陶器の補修(呼継ぎ)2022-2


陶器の補修(呼継ぎ)2022-2

接着剤代わりの麦漆を作ります。小麦粉と生漆をヘラで均一に混ぜて
麦漆を作ります。


陶器の補修(呼継ぎ)2022-2

欠けた部分に麦漆を載せます。




陶器の補修(呼継ぎ)2022-2

麦漆で部品ごと塗り固めます。少し多めに漆を塗るのがコツです。
乾燥硬化したら紙やすりで余分な部分は削り出します


陶器の補修(呼継ぎ)2022-2

乾燥硬化の工程です。本来は室に入れて、ゆっくりと乾燥させますが
今回は強制乾燥硬化を行います。漆を塗った周囲に湿ったティッシュを置き
ラップでくるんでストーブの天板上で乾燥させます。(天板は70℃くらいです)



陶器の補修(呼継ぎ)2022-2
ラップでくるんだまま2日置いてラップを外すと半乾きの状態になるので
プラヘラで形を整えます。更にラップを外したまま天板上でもう一日乾燥させると
紙やすりで削れるぐらいに硬化するので慎重に目の細かい紙やすりで
不要な部分を削って形を整えます。


陶器の補修(呼継ぎ)2022-2

まだ最後の工程の金蒔きが残っていますが漆での補修が出来ました
次回が最終工程の漆の金蒔きです。



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Posted by メドウおじさん at 18:15│Comments(0)陶芸のこと
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