鉄瓶の補修

2022年01月30日

奥さんの実家から使わなくなった鉄瓶を
頂いてきました。鉄瓶は義母がお茶を
嗜んでいた時に使っていたものですが、
何年か使っていなかったので所々赤さ
びが浮いてきていました。このままだと
劣化が進むので錆止めの補修で黒錆
染めをすることにしました。鉄瓶の黒錆
はタンニン鉄と言ってお茶に含まれる
成分のタンニンが鉄と反応して黒い皮
膜を表面に作ります。黒錆は赤さびの
ように鉄内部へ浸食していかないので
鉄表面の劣化を防止できます。
鉄瓶でお茶を入れていると自然にタン
ニン鉄が付着していきますが、黒錆染
めはこれを意識的に行います。鉄瓶内
部は紅茶のティーバッグとタンニン成
分を含むゲンノショウコを煮出して何回
か繰り返すことで鉄瓶内部にタンニン
鉄を付着させます。外側は先ほどの
紅茶とゲンノショウコの煮出し液にこれ
もタンニン成分を含む柿渋を加え煮詰
めて濃度を濃くしたものを筆で表面に
塗布しました。乾くと同じ事を2、3回繰
り返します。一日静置させると表面が
黒くなり黒錆染めの出来上がりです。


まだそれほどひどくはないですが内部に赤錆がういています。
外側は赤錆は浮いていませんが黒い皮膜がなくなりつつあります。
外側も黒錆染めをほどこします。


 

内部は紅茶とゲンノショウコを煮出してタンニン鉄の被膜を作ります



外側に塗る紅茶とゲンノショウコの煮出し汁です



これを二、三回繰り返して塗ります


  

Posted by メドウおじさん at 10:49Comments(0)その他