薪ストーブで土器づくり

2015年01月04日

縄文土器や弥生土器などの古代土器はよくイベントなどで
見かける野焼き方式で焼かれたと思われていますが七輪
陶芸を考案した故吉田明氏は野焼き法式だと火の回りが
不均一で焼き割れするものが多く出ること、縄文時代や弥
生時代の住居地跡地から野焼きの窯跡が見られないこと
などから古代土器は従来考えられていたような方法で焼
かれていなかったのではないかという疑念をお持ちでした。
そこで考えたのは七輪窯を発展させた紙窯さらには古代
土器が日常生活で使われることを考えたとき身近な囲炉
裏端で薪の焼却灰の中に埋めて焼成したのではないか
と推論し実験されたそうです。生活の身近な場所で採取
した粘土(赤土)を手びねりで形成し、それをはじめは囲
炉裏の端の方の灰に埋めて乾燥させ、さらに灰の上から
煮炊きの火で素焼きし、さらにそのまま焼成したと考えた
ようです。
この方法なら灰の吸湿性で焼き割れも少なくて済みま
すし縄文土器のような複雑な形のものでも無理なく焼ける
ようです。さらに窯が日常の囲炉裏を兼ねているので古代
の窯跡が見つからないという事も説明できると吉田氏はそ
の著作でいわれています。
そこで私も本格的な七輪陶芸再開の前に薪ストーブで焼き
締め土器を作ってみました。素焼きしたぐい飲みをストー
ブの中で焼き上げました。4時間焼いてみましたがやや焼
きが甘くお酒が若干にじむものの実用で使えるものが出来
ました。釉薬をかけたものは無理ですが土器のような無釉
の焼き締めなら使えます。七輪陶芸とは違った柔らかい焼
き上がりの味のあるものが出来ました。


薪ストーブで土器づくり

以前バーベキューの時に素焼きしておいたぐい飲みです。このぐい飲みの粘土は
以前住んでいた横浜近郊で宅地開発のために造成中の山跡から出た自家採集の
粘土です。鉄分を含んだ赤土で焼成温度の低い(700~800度)のストーブ
の中でも焼き締まりそうな土です。焼き割れ防止の意味で少量の珪砂を混ぜて
手びねりでました。




薪ストーブで土器づくり

火がゆっくり回るようにストーブの隅で焼き始めます


薪ストーブで土器づくり

この日は4時間焼きました。素焼きと陶器の中間の土器の感じが良くできました。


薪ストーブで土器づくり


薪ストーブで土器づくり


薪ストーブで土器づくり
裏表と上から見たところです。この後さっそくお酒を入れていただきました。ややお酒がにじみますが
経験上この程度なら使っていくうちにとまるので一応成功です。直径5cmほどなので素焼きと比べる
と2割弱収縮しました。


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Posted by メドウおじさん at 17:52│Comments(4)クラフト薪ストーブ
この記事へのコメント
うお!しぶい!!
萩焼も最初は水を吸うのですが、使ってると
確かふさがってくるのですよね。
いいなぁ。うちも弟たちが炭焼きするときに
一緒に入れてもらおうかな(^^
ここら近所の土壌調査もせんといけんですね。
Posted by ゆこむし at 2015年01月05日 18:57
ゆこむしさん、おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。炭焼窯ならたしか400℃~700℃だったと思いますので土器を焼くにはちょうどいいですね。ただ炭焼は還元焼成するので炭素を取り込んで黒くなってしまうかもしれません。還元で黒くなった所は酸化焼成すれば黒い色は飛びますから大丈夫です。確か西村採石の土層で黄色ぽい所が粘土層のようにとうめには見えます。
Posted by メドウおじさんメドウおじさん at 2015年01月05日 21:14
ストーブで陶器が焼けるのですね~
萩焼に似たイメージに焼けていて、
ちょっと感動しました!
表面の少し粗い感じが何ともいい味がでて
良いですよね!
陶芸には昔から憧れはあるものの、
全くやった事がないので、
楽しんでいらっしゃるメドウおじさんを羨ましく感じられます。
Posted by チョコミント at 2015年01月09日 06:52
木節粘土や伊賀焼用の粘土など耐火度の高い粘土だとストーブでは素焼きぽいものしかできませんが、普通の赤土粘土だと耐火度が低い分七輪(送風なしの自然燃焼)や薪ストーブなどでも無釉の焼き締めなら焼くことが出来ますよ。
身近な赤土粘土で小物なら送風なしの七輪で焼けば安全で思いのほか楽しめます。(よく乾燥させたものが小童ようですが)
Posted by メドウおじさんメドウおじさん at 2015年01月09日 19:12
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